2013年2月9日土曜日

357は3を切る

  同じ状況のときは同じ選択をする。麻雀関連の本の多くはおおむねこのように書かれています。判断材料を持たず、いつまでも直感に頼っていたりその場限りの打ち方をしていては実力向上は望めません。なぜなら結果がブレるからです。状況が同じならば同じ判断をしなければならないのです。

しかし戦術として具体性に欠けると思いませんか?麻雀は10年間プレイを続けていたとしても同じ状況に遭遇することなどまずありません。そもそも「同じ状況」とは何を指しているのでしょうか。自分の手牌?河の捨て牌?点棒?いずれにせよ、同じ状況が再現される可能性はないのですから。

 「同じ状況」という言葉を一般的に考えた場合であれば「普通ならこうでしょ」という範囲内の理解はできます。たとえば手牌がqweoovbbhjk111というテンパイであるとします。普通ならbを切りリャンメン待ちに構えます。同じ状況では同じ選択をするとは、こういった場面でセオリー通り打つことを指しています。
 こういった手牌に対して「不調だから逆を打つ」や「なんとなくトイツ場だからシャンポンの方があがれそう」となどと考えv切りシャンポン待ちとする方が実際にいるものです。本人にしてみれば何かしらの戦術に則った打ち方を行っているつもりでしょうから、仮に上手く和了りもモノにできたとすれば「やはり読み通り」となり「俺は他とは違う打ち方ができる。俺は強い」と思い込むものなのです。そしてますます自分の打ち方を正しいと信じます。こういった負のスパイラルともいえる心理を「否」とした説明が、「同じ状況のときは同じ選択をする」という言葉となっています。

 そもそも不調であってもがトイツ場であっても、和了率が最も高いのは単純に残り枚数の多い待ちであることは疑いようがありません。麻雀は数字が第一であり、数字以外のどのような根拠があろうとも、それが数値的確率を否定する材料にはなりえません。これは単なる事実です。不確定な心理に囚われずに切るべき牌を粛々と切ることが「同じ状況のときは同じ選択をする」という基本戦術であることは確かです。

 では、etuzxc,,hjk111という手牌をテンパイしたとしましょう。通常はeuを切ってテンパイをとると考えられます。プレーヤーによってはtを切りイーシャンテンとする高度な戦術もあるようですがあまり一般的とはいえません。普通はeuを切りますし私もそうします。待ち牌枚数など条件が同じであれば和了確率的は同じですが、どちらを切りますか? いわゆるデジタル派の著書を隅々まで読んでもここまで書いてある例を私は知りません。彼らのいう「同じ状況のときは同じ選択をする」のであれば当然正解があるべきですが、ここまで踏み込んではいないようです。

著者は「同じ状況のときは同じ選択をする」という戦術を大いに支持しますが、それはetuzxc,,hjk111のような手牌であっても「同じ状況」と考えるからです。神のみぞ知る手牌、答えのない手牌に対して、この戦術は「正解」を導くツールになりえるのです。

この場面ではeを切るべきです。具体的にこの考え方を説明しましょう。まず残り枚数に差がないのであればeuのどちらを選択しようが和了の確率は同じですから、数字には頼れないということになります。その上で「同じ選択をする」ためにはパターン化しておく以外にありません。etuという手牌があった場合はeを切るとあらかじめ決めておくのです。決め方は同一種の数字的下位牌をオススメします。同一種とはマンズならマンズ、ピンズならピンズ、字牌なら字牌といった牌の種類のこと。つまりは、etuのようにeuの選択であれば数字の少ないeを優先的に選択せよという打ち方です。下位牌である理由は、単純に間違いが少ないからです。

 この打ち方に従うと字牌にも優先順位をつける必要がありますが、一般的な順番どおりがオススメです。すなわち1234567という優先順位です。牌の種類の優先順位については、単純に覚えやすいマンズ→ピンズ→ソウズ→字牌、つまり「マンピンソウ字」の優先順位がオススメです。この場合、牌の種類と数字的下位のどちらを優先するかという問題が残りますが、数字を優先させるほうがとっさの迷いが少ないというのが著者の経験です。なお字牌については数字的位置としては9o.l)と同じように扱うと間違いが少ないです。たとえば「o z 1」の選択では、まずは数字的下位から処理するためz切り、続いて牌の種類ですからo切りという順番になるということです。
 



これを整理すると、一九字牌の優先順位はqzao.l1234567となります。


つまり、「いつも捨てる『優先順位』を決めておくこと」です。
これをその時の運やカンで行ってしまうことが実はもっとも悪いのです。1打1打に一喜一憂するばかりか勝率の変動も非常に大きくなるのです。決めていれば、この「答えのない選択」に無駄な時間をかけることなく、本当に必要な判断に時間を回せるのです。(「必要な判断」という意味については、後日掲載予定です。著書「357は3を切りなさい!」(Kindle版)にも掲載してあります。)
これを行っていれば、間違いなく数日で勝率が向上します。著者が保証します。

 
繰り返しますが、これは同じ条件で行った場合の優先順位です。「c ,」という選択では「数字が下位だから」とcを切ってはいけません。受け入れ枚数が異なります。あくまで同じ条件、同じ状況ということを忘れないでください。字牌も同様です。東場の親、つまりダブ東のとき、「1」を選ぶのはナンセンスです。
 


 
 



2 件のコメント:

  1. 参考になります
    逆に数字が上から切っても問題はないのでしょうか?

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  2. 問題ありません。
    ここでは「わからないことは考えないほうがいいよ」と「カンで打つのはやめようね」という2点をいいたいわけです。
    そしてそういった局面を想定し、「何を打つか決めておくことが重要です」という主張を述べています。
    従って何らかのルールに基づいているのであれば、どのような戦術もOKなのです。

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