2013年5月19日日曜日

守備のセオリー【一色手】


ホンイツやチンイツは捨て牌が偏ります。

 
染めている色は誰でも簡単に読むことができますし、

攻め手も他家が気付いていることを前提としてプレイしています。

 

捨て牌によっては待ち牌の一点読みも可能ですし、

そうでなくとも、ある程度の得点は予測できます。

 

しかし相手が一色手に向かっているとき、

もっとも重要なポイントは上記の情報ではありません。

 

肝心なのは「テンパイしているか否か」です。

 

どれだけ得点が高くても相手がテンパイしていなければ、

字牌や染め色をガンガン切り飛ばしても自分の点数は減りません。

 

いわれてしまえば当たり前のことですが、

キチンと理解している中級者は多くありません。

 

その証拠に、一色手がいる場合、

多くの中級者は字牌やその色を一生懸命止めています。

もちろんそれが賞賛された時代もありますし、

今でも「上手い」打ち方としてそういったスタイルがあることも事実です。

 

しかしながら、止めた字牌や色牌が鳴かれるかどうかはわかりませんし、

仮に鳴かれたとしても、相手の手がどの程度進んだかも本人以外わかりません。

また自分が止めたからといって相手の手が遅くなるという保証もありませんし、

自分以外の他家が捨てる可能性も十分あります。

さらに自分が牌を止めたからといって、相手は一色手を諦めることはまずないでしょう。

 

つまり、一色手いるからといって、牌を絞るという打ち方を選択することは、

自分の和了り順目を高確率で遅くし、

相手の和了りの可能性は決して低くならないという、

非常に効率の悪い打ち方なのです。

 

従って、鳴かれる可能性がどれだけ高くとも、

相手がテンパイするまでは、自分も和了りを目指し続けるべきなのです。

 

とはいえ何が何でも突っ走っていては点棒がいくらあっても足りません。

そこで重要なのは「相手のテンパイ」なのです。

 

一色手のテンパイを読むことは決して難しくありません。

ポイントは2つ。

 

1つは「警戒は数牌が切られてから」ということです。

 

序盤、「中」と「東」をポンしているプレーヤーがいるとします。

捨て牌はピンズとマンズのみ。ソウズが一枚もでていない。

 

中級者は字牌をソウズを止め丁寧に打ち回します。

上級者はガンガン切っていきます。

 

一見上手に見えるのは中級者。

しかし勝つのは上級者です。

 

繰り返しますが、警戒するのはテンパイしてから。

そして数牌が出てきたらテンパイの可能性は高いと読むべきです。

しかし染め色の数牌を一枚切らない一色手はまずないといえます。

全くのゼロとはいいませんが、確率的に非常に低いため、
 
自分の和了に向かった方が勝率は高くなります。

 

麻将連合μの井出洋介代表も自身の著書の中で、

「染めている色が余らない一色手はない」と断言されています。

 

 

2つは「メンチンは警戒しない」ということです。

 

メンゼンのまま成立するチンイツは、

場合によっては役満以上に発生確率が低い役です。

役満より身近に感じるのは6役という基本役であることと、

一色手を狙う場合、だれでもある程度は意識するためです。

 

思い出してみてください。

最近メンチンを和了った記憶はありますか?

まったく和了っていない人がほとんどだと思います。

それほど発生確率の低い役なのです。

 

また和了った記憶のある方も、きっと手牌も記憶しているのではないでしょうか。

それほどプレーヤーの脳裏に刻まれ易い役なのです。

これは発生確率が低いことから来ている現象です。

 

メンチンはピンフやイーペーコウが同時に成立しやすい役ですが、

イッツーなどは意外に付かないものです。

つまりどれだけ高くなっても倍満どまり。

マンガン2回分です。

 

半荘20回打っても1回あるかどうかのメンチンを警戒して手を回すことは、

マンガン2回分以上の損失であると思いませんか?

実際に支払うわけではないので意識しづらい部分です。

しかしだからこそ、この考えがあるかないかが、中級者と上級者の実力を大きく分けているのです。

 

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