2013年4月28日日曜日

人マネの限界について


これまで当ブログにて何度か述べていますが、

麻雀は人のマネをすれば強くなれます。

 

三色やイッツーなど

手役作りに定評のあるプロ

 

タイミングが絶妙であり、

流れをつかむ鳴きに長けた名人など。

 

麻雀という舞台は同じであっても、

個人によって能力を発揮できる分野はまちまちです。

 

ここで大切なのは、自分自身がどの能力に長けているか、

という点について考えることです。

 

人間は自分にないものを求めたがるものです。

しかしながら、磨くべき能力は自分の資質。

すでに自分が持っていて、成果を出せる能力を伸ばす努力をしたほうが、勝率が伸びるのです。

 

当たり前と思われるかもしれませんが、

実はこれが難しい。

 
 

これは私の経験則になりますが、中級者はメンゼン派が多い。

そして「鳴き」について、自分自身で課題としている例がよく見受けられます。

 

メンゼンの方が有利と思っているから鳴かないことが多いにも関わらず、

一方では鳴き麻雀に憧れをもつ。

この矛盾が勝率アップを知らず知らずのうちに阻んできたのです。

 

もちろん気持ちはわかります。

人間は憧れる生き物です。

 

自分自身がとても鳴かないような手でガンガン鳴いてさっと和了りをモノにする、

そして後で検証してみると他家が高く速い手であり、それを結果としてツブしている。

 

だれが見てもかっこいい局です。

 

しかしこれが落とし穴。

自分の強みでもないところに憧れをもち

興味を持っていかれそうになることが危険なのです。

 

それまで将棋一筋でスポーツをプレイしたことのない人が

サッカーの試合を見ていきなり始めるようなものです。

基礎からはじめるならまだしも

シュートやテクニックから入ろうとする。

 

経験者以外はあくまでエンタテイメントとしてとらえるべきです。

 

麻雀における中級者にも同じことが言えます。

 

鳴きにはトレーニングが欠かせません。

当然基礎もあります。

いきなり華麗なテクニックを表面だけなぞったとしても

絶対に結果には反映されません。

むしろ逆効果です。

 

今回は鳴きを例としましたが、麻雀における全ての技術に同様のことがいえます。

 

誤解のないように今一度述べますが、

私はプロなどのマネをすることは大いに賛成です。

彼らから学ぶ点は多い。

 

しかし、技術の背景や基礎を知らずに表面だけなぞるのは危険であり、

自分自身に合っていないテクニックは使うべきではないということをいいたいのです。

 

今一度、自分自身の磨くべき技能について考えてみましょう。

2013年4月24日水曜日

結果に必要な要素


「一生懸命努力していても結果がでない」

中級者と話しているとよく聞かれるフレーズです。

 

今日は、彼らのいう「努力」とは何か、というところから入りましょう。

 

話を聞いてみますと、

ほとんどの方がセオリーや定石を熟知しています。

また、プロや著名人の話題にも明るい方も多い。

雑誌や戦術本を何十冊も熟読している方もいました。

 

つまり、彼らのいう「努力」とは、読書や情報収集だったのです。

 

しかし、どれだけ勉強し、知識を学んだとしても、それが実践に活きるかどうかは別の話です。

 

野球やバスケのルールブックや漫画を読んで、技術を知っていても、

実際のプレイにはなんの影響も与えないことは誰でも経験があると思います。

知識だけでは勝率は上がらない。

 

むろん、「知る」ということは大切です。

しかし、それを結果に結び付けるためには、実践での繰り返しが欠かせません。

 

ところが、知識を実践に取り入れての訓練は、アタマで考えるよりも難しいものです。

難しいからこそ、中級者は皆、無意識に実践訓練を避けるのです。

 

これは意思だけではなかなかクリアできないものです。

 

ではどうするか。

これには2つの要素を取り入れることが重要です。

まずは、ネットワーク

そして、公表

この2つです。

 

なぜなら、得た知識を実践で訓練するのを妨げるのは「怠惰」だからであり、

怠惰を取り除くもっとも有効な手段がこの2つといえるからです。

 

ネットワークとは、自分の行動や考えを共有してくれる仲間のこと。

麻雀サークルの友人や家族でもいいでしょう。

そして彼らに公表するのです。

2週間後、平均リーチ順目を1順向上させる。」

このように目標を公表するのです。

むろん、努力内容そのものでもいい。

「振込み率を50%減少させる」などです。

 

ネットワークに公表することで、実践せざるを得ない環境となり、

自らの意志力とは関係なく行動に移せるのです。

 

繰り返します

結果に必要な要素は、努力です

努力には、実践が必須となります。

そして実践するためには、ネットワークに公表することが重要なのです。

2013年4月20日土曜日

戦術本の読み方




 いまひとつ勝率の伸びない中級者に共通するものがあります。
それは、多くの戦術を知っていることです。知識が豊富なため自分の腕にもそこそこの自信をもっています。しかし、それを活かしきれていないのです。そして活かせていない理由が戦術本を盲目的に信じており、それを知識として蓄えているからです。

麻雀プロや著名人、元タイトルホルダーなど、麻雀の戦術本は本当に多く出版されています。これは名著だと思えるものから、残念な内容にガッカリした書籍まで、そのクォーリティも多種多様です。

私も少なからず目を通してきましたが、どの本にも共通することが1つだけあります。それは本当に信頼できる戦術は必ずその根拠たるデータが同時に記載されているということです。

これは私の持論になりますが、戦術を記載した書籍であれば、その内容は論理的に展開されるべきです。なぜならば、その大部分が数値化できる単純なゲームです。ですから、客観的事実、データがないということはまず考えにくい。であるにも関わらず、データ抜きで語られている戦術があるとすれば、それは単なるその著者の持論であり、到底戦術とは呼べないものです。

(その最たるものが「ツキ」とか「流れ」に頼った戦術です。しかし、このテーマに関してはここでは割愛します。)

 

主張には、2つの要素が必要といわれています。「論拠」と「データ」です。しかし、麻雀における戦術本では、論拠が示されていてもデータ一切載っていないものがほとんどです。実際に、無作為に10冊選び、たまたま共通していた「間4ケン」について調査しました。「間4ケンは危険だ」あるいは「いや、危険ではない」といった主張は違いましたが、その根拠たるデータを示していたのは1冊だけ。その他の書籍は淡々と文章のみで説明しており、中には論拠さえないものも見受けられました。

麻雀は単純なゲームです。
複雑に見えるのはその単純な数値的現象が同時に発生しているからです。絡まった糸も解してしまえば1本の糸にすぎないように、麻雀も単純化して考えるのがもっとも正解に近い。
たとえば、「asbn」から選択する場合、as切りしか考えられません。ところが、「vmがカンされていたら?」「チャンタを狙っていたら?」などという反論が多いのです。そして麻雀ファンはそのような反論を好みます。そして、多くの戦術本がファンの求める内容をチョイスし、「~ですから状況によってはbnを切ることも考えられる」と紹介するのです。

しかし、as切り以外の選択肢は必要ありません。断言できます。
なぜなら、as切りに対してをbn切ることが正解である確率が著しく低いからです。細かな計算式は割愛しますが、as切りの方が有利になる場面というのは1%を下回ります。どれだけ偏った計算してもせいぜい3%程度です。
いかに「○○の場面では、そうでないかもしれない」「状況による」といった戦術が無意味なものであるか、おわかりいただけたかと思います。

これはほんの一例です。
たしかにこのような極端な例は少ないかもしれませんが、多かれ少なかれ、データのない戦術は、レアケースに的を絞って解説しているだけの内容です。戦術としてはまず役にたちません。

「いや、レアケースでも役に立つことはあるかもしれないじゃないか」

たしかにそのとおりです。
しかしこのような戦術は、降水確率10%の日の折りたたみ傘のようなものです。そしてカバンの容量が決まっているように、麻雀も13枚と自牌が決まっています。晴れると分かっている日は傘を置いてその分手広く構えた方がいい。いつも傘を持ち歩くような打ち方では勝率は絶対にあがりません。

 

2013年4月13日土曜日

勝負を左右するのはたった3牌


パレートの法則、通称8020の法則を御存知でしょうか。
 
全体の8割の数値は全体の2割の要素から生み出されるというビジネスでよく知られた法則です。
たとえば、市場の8割は上位2割のヘビーユーザーの消費で占められている、
問い合わせの8割は上位2割の同じ質問に集中している、
という法則であり、経済現象の多くはこの法則で説明できるのです。

これを麻雀に当てはめると、
「麻雀の成績の8割は、重要な2割の局の結果から生み出されている」
といえるのです。

麻雀は複雑な頭脳ゲームであり、高度な思考、戦略、戦術が要求されます。とはいえ全ての局11打に全力をぶつけることはまず不可能。
上記の法則でいえば、いかに「重要な2割の局」に自分の能力を集中するかにかかっているのです。

局数でいうならたったの1~2局。
そうです、実は半荘のトップの要因となる局は1局か2局。
さらにパレードの法則に当てはめるとすれば、
1局の結果の8割は、重要な2割の打牌で決まる」といえます。
つまり1局の行方、引いてはその半荘の結果は、たった3~4牌の打牌から決まるのです。

私の感じているところ、中級者で成績の芳しくない方は、下位8割の局にエネルギーを使っています
なぜならその8割は重要度が低い代わりに難易度も低いからです。
人間というものはどうしても楽なところへ流れるもの。
ここぞという1牌は実力の他に決断力と勇気が必要ですから、膨大なエネルギーを消費します。中級者はそれを嫌って保留や弱気な打牌に終始するのです。
しかしそれでは高いパフォーマンスは望めないと考えるべきでしょう。
 
重要な局、ここぞという1打を見極め、それに対し全力を注いでください。

2013年4月6日土曜日

目標を達成する法則


強者となるためのスタートラインは目標をはっきりさせることです。
ただし目標を立てただけで安心してしまっていては意味がありません。
目標をどのように実現させていくのかの計画を考えねばならないのです。
計画性のない目標はただの願望であり夢でしかないものです。

たとえば私の場合、麻雀の段位を取得したい時期がありました。
最初はただの願望でしたが、これを「初段取得」という目標とし、具体的に手段を考えて計画し実行していったのです。
まず段位を認定している麻雀団体を調べなくてはいけません。
いくつかの団体に絞りながら、「上位の成績を収めれば段位認定」という団体主催の大会があるのを聞きさっそく参加しました。
そのときは残念ながら段位認定とはいきませんでしたが、大会をきっかけに多くの人と知り合うことができました。
その方々は他の麻雀団体ともつながりがあり、段位認定について貴重な情報を得ることで計画の修正を繰り返しました。
また麻雀の実力が高いことは当然要求されますので、研究を重ね日々腕を磨いていきました。

まず具体的な目標を立て、初段取得についての手段を考え計画を練ったうえで実行する。
その後は手段や計画の修正を加えるという一連の流れを行動に移すことで「初段取得」という目標が達成できるのです。
そのおかげで私は日本プロ麻雀連盟認定三段位を無事取得するができました。

このようにステップを踏んでいくことで、やがて目標が達成できる法則を「モケジフォの法則」といいます。

目標…モ

計画…ケ

実行…ジ

フォローアップ…フォ

「目標」「計画」「実行」「フォローアップ」の頭文字をとって名付けられた法則です。
この法則は日本プレゼンテーション協会理事長の箱田忠昭氏が考案したものです。
 
ビジネスの研修などでよく用いられるのでご存じの方も多いと思います。
よく用いられるPDCAサイクルにも近いのですが、深く考えずかつ実行に重点を置いている分、「モケジフォの法則」のほうがより麻雀にマッチしたものだと考えています。